教えるほどに学びが深まる──インストラクター視点で語る自己研鑽の楽しさ
レッスン準備やフィードバックを通じて起こる自己学習ループは、踊るだけでは得られない発見の宝庫です。今日は〈動きの言語化〉〈多様な身体との向き合い〉〈フィードバックの逆輸入〉など、教えるほどに学びが加速するプロセスと楽しさを掘り下げます。
1. 言語化で動きの本質がクリアになる
- 仕組みを説明=動作を分解
ターンの軸を伝えるには、股関節・体重移動・視線を細分化して解説します。無意識の微調整を意識化できるため、動作の精度が向上。 - 抽象を具体へ
「グルーヴを感じて」という感覚的表現を呼吸やカウントに置き換えると、振付の説得力が高まります。
2. 多様な身体と向き合うことで適応力が磨かれる
- 体格・可動域は千差万別
代替動きを考える過程で自分のフォームを見直す契機が生まれます。 - “できない”を観察する目
つまずくカウントを分析する訓練はセルフコレクションにも直結します。
3. フィードバックを“逆輸入”する
- 説明の効果測定
生徒の反応から例えや順序の有効性を確認し、成功した説明を自分のレッスンメモへ。 - 質問は学習テーマ
素朴な疑問は知識の穴を教えてくれ、次の探究課題になります。
4. 作品づくりでクリエイティブが循環する
- 生徒の個性がアイデアの種
得意動作を振付に組み込むと作品が予想外に進化し、スタイルの幅が広がります。 - 制約こそ創造の母
「初心者10人で90秒」など条件付き振付は動線設計力や視覚効果を高める好機になります。
5. 自己研鑽を続けるコツ
- レッスン後5分レビュー:成功・改善点を即メモ。
- 生徒の質問リストを学習TODO化:調べて次回回答。
- 月1回ワークショップ参加:他講師の教え方を吸収。
- 動画で自己チェック:説明のテンポや言葉選びを見直します。
まとめ
教えることは最強のインプットでもあります。
・言語化で動きの本質を再確認
・多様な身体から学び適応力向上
・生徒の反応と質問が学習テーマをくれる
この自己学習ループを楽しめば、インストラクターとしての成長はもちろん、ダンサーとしての表現力も飛躍的に高まります。次のレッスンからぜひ意識してみてください。